エビデンスの基礎知識 — 専門用語をやさしく読み解く

エビデンスの基礎知識 — 専門用語をやさしく読み解く

このページは、evidage.com の記事に出てくる「ハザード比」「メタアナリシス」「ランダム比較試験」などの専門用語を、たとえ話と図解でやさしく解説するためのものです。

「健康情報の科学」が初めての方は、まずこのページから読むのがおすすめです。


🎯 まず最初に:エビデンスレベルとは?

健康情報には「信頼度の差」があります。同じ「○○は体にいい」という主張でも:

  • 個人の体験談(「私が試したら良かった!」)
  • 動物実験(「マウスでは効いた」)
  • 小規模臨床試験(「30人で調べたら効果あり」)
  • 大規模ランダム化試験(「1万人を5年追跡したら効果が確認された」)

これらはまったく信頼度が違います。evidage では、すべての記事の冒頭で Level 1〜4 の4段階で証拠の強さを明示しています。

レベル 証拠の強さ 何で示されているか
Level 1 最強 🥇 大規模ランダム比較試験の系統的レビュー・メタ解析。複数の独立した研究機関で再現済み
Level 2 🥈 複数のランダム比較試験または大規模コホート研究で一貫した結果
Level 3 🥉 観察研究・小規模ランダム比較試験。示唆的だが決定的でない
Level 4 限定的 🔬 動物実験・試験管実験・症例報告のみ

「証拠の強さ」と「行動の推奨度」は別の概念です。 本サイトでは、各記事冒頭に [Level X(証拠の強さ)][行動の推奨度] を別々に表記しています(例:[Level 1(最強)] [食事・栄養] [強く推奨])。詳しくは エビデンスの読み方 を参照。


📖 専門用語の解説

① ランダム比較試験(ランダム比較試験)

被験者をくじ引きで「治療群」と「プラセボ(偽薬)群」に分け、結果を比較する研究。因果関係を直接示せる最も信頼度の高い研究デザイン

② メタアナリシス(メタ解析)

同じテーマを扱う複数のランダム比較試験を統計的に統合する手法。1本の論文よりはるかに信頼度が高い

③ コホート研究

大集団を長期間追跡し、生活習慣と病気の関係を観察する研究。因果関係は直接示せないが、現実世界のデータを得られる

④ ハザード比(HR)

「ある集団がイベント(病気や死亡)に至るリスクが、別の集団と比べて何倍か」を示す指標。HR 0.7 = リスクが30%減

⑤ 相対リスク(RR)と絶対リスク減少(ARR)

RR 0.7 = 「リスクが30%減」と聞くと大きく見えますが、もとのリスクが小さい場合は実感としての差は小さい。ARR(絶対リスク減少)も一緒に見るのが大事。

⑥ p値・信頼区間

結果が「偶然ではなさそう」と言える確率の指標。p < 0.05 が一般的な閾値。信頼区間(95% CI)も一緒に見ることで、効果の幅が分かります。

⑦ NNT(Number Needed to Treat)

1人の患者を救うために何人を治療する必要があるか。NNT が小さいほど効果的。例:NNT=10 なら「10人治療すれば1人救える」。


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最終更新:2026年5月